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戦前はがき 齋藤清二郎:絵 文楽座版 ヤケあり

                   


特集42 編集後記

    
 今年の春風はせっかちなのか、桜前線は足早に通り過ぎ文楽劇場前の桜も既に葉桜となっている。我が家の近隣でも名物の大枝塚原産筍が出回り始め、もう新緑の季節に移りつつある。とは言え、4月文楽公演の舞台ではまだまだ雪見や花見をしているような気分を味わえることであろう。

 新春より襲名披露の公演が続いている。4月公演では玉助さんが劇場のロビーにお見えで、初めてご挨拶した。長身の美男で大変気さくな方であった。ふと、頑固おやじ風だったお父上・玉幸さんの舞台を思い出し、感慨深いものがあった。また、残っている昭和のブロマイドやプログラム等の写真からさえも、三代玉助が遣う熊谷直実、武智光秀や松王丸といった主役たちは圧倒的な迫力で訴えてくる。実際の舞台を是非見たかったものである。今後、五代目の玉助として大きな立役遣いを目指されていることは大いに期待したい。 益々精進されて、先代・先々代に匹敵するような人形遣いとなられる事をお祈りしております。

 毎度おつき合いいただき有り難うございます。特集では、二代豊竹つばめ太夫(後の四代竹本織太夫、八代竹本綱太夫)で、三味線四代豊澤仙糸、四代野澤勝市の音源を取り上げました。八代竹本綱太夫も多くの音源を残していますが、その修業時代のつばめ太夫時には原点を感じさせるものがあります。 勝市師との音源を探して、もう少しご紹介できればと思っています。次回の特集も検討中です。今後とも、宜しくお願い致します。

2018. 4. 8 大枝山人