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平成三十年四月二十八日

七代竹本住太夫逝去

御冥福をお祈り申し上げます。

                   

追悼

    
 四代竹本越路太夫の後、実質的に紋下格を受け継ぎ、平成期の顔となった太夫でした。鑑賞した各公演が走馬灯のように思い出されます。特に時代世話、沼津の平作、佐太村の白太夫などで人生の苦楽を経験した爺は絶品でした。

 この人の生涯のすべてが、戦後の昭和期、そして平成期における文楽そのものでした。また別の見方をすれば、伝統文化としての文楽が、変わりゆく社会や大衆文化の移り気と戦い続けた歴史だったかもしれません。

 御冥福をお祈りするとともに、観客として向かい合えたことに心から感謝致します。

         

2018. 4. 29 大枝山人